読んだ論文:外国人研修生・技能実習生を活用する企業の生産性に関する検証

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この論文では、実習生等を活用する企業が日本人従業員に対して提示するオファー賃金の水準に着目し、非活用企業の同賃金と比較することで企業間の生産性格差を測定し、制度を利用する企業の特徴が明らかにされている。 実証分析の結果、製造業では、実習生等活用企業の日本人従業員に対して支払う賃金が、 同業・同一地域に立地する非活用企業よりも低い傾向、すなわち賃金競争力に劣る企業が制度を利用する傾向が強いことが確認された。一方、非活用企業の平均賃金以上の賃金を提示する活用企業も約 30%あり、これらの企業では実習生等と日本人従業員とが効率的に業務を分担することで高い生産性を達成している可能性が示唆される。

近年、外国人研修生や技能実習生が増えている中、途上国の外国人を実質的な低賃金労働として利用して労働力を充足し、低生産性企業の延命措置として機能してるのではないかという批判も多い。そんな中でこういった批判の妥当性を実証分析によって明らかにすることは非常に重要であると思う。実際に外国人労働者にも平均以上の賃金を提示する企業もあり、そこから日本人従業員との効率的な業務の分担をすることが高い生産性につながることが分かった。

 

文責:政安

 

著者:橋本由紀

論文誌名:RIETI Discussion Paper Series 10-J-018

掲載年:2010年


読んだ論文:Vocational training program and youth labor market outcomes: Evidence from Nepal

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 高いレベルの失業率と貧困の決定要因は数多くあるが、スキルの欠如は重要な問題の1つである。特に女性のニーズを考慮に入れて、若者の失業を対象とする職業別訓練プログラムは効果的な介入が低所得国にとって重要である。回帰不連続デザインを使用して、ネパールの大規模な職業訓練プログラムの介入を調べた。プログラムを開始から12か月後、非農業雇用が10%増加(ITT推定)、コンパイラーに対して31%増加(LATE推定)した。男性はプログラムを使用することによってスキルが上がり、収入や雇用率が増加した。このプログラムは、十分に雇用されていない女性でも、家事をしながら、家の外での就職を妨げる社会的文化的規範に沿って収入を得ることができる。職業訓練は女性により高いリターンをもたらすことが出来る。活発な労働市場プログラムの影響を包括的に調査するためには、自営業などのより幅広い雇用の成果を測定する必要がある。

 

文責:出張

 

著者:Shubha Chakravarty, Mattias Lundberg, Plamen Nikolow, Juliane Zenker

 

発行雑誌名と年月日:Journal of Deveiopment Economics 136(2019)71-110