読んだ論文:“Foreign workers” in Singapore: conflicting discourses, language politics and the negotiation of immigrant identities
現在、日本だけでなく他国でも外個人問題が起こっている。東アジアで経済成長の著しいシンガポールでも、外国人の労働力に大きく依存している。しかし、労働ビザの有効期限は2年。最長10年まで延長できるが、家族の帯同を認めていない。つまり、シンガポールは外国人を短期の労働力と考え、働きに来る外国人もシンガポールを稼ぐ場として割り切っているのだ。そのギャップからか地元民の移民に対する否定的なアイデンティティを構築する公言が証明されている。シンガポールでは、英語が異民族間の共通語としてだけでなく、グローバルな経済競争力のために必要とされている。働きにだけ来た「外国人労働者」は英語力で避難されることが多い。この論文では、シンガポールの移民のアイデンティティが日常体験を通してどのように関係されるかを調べる。
文責:政安
著者名:R Rubdy, SL McKay
論文誌名:International Journal of the Sociology of Language Page157-185
掲載年:2013年
読んだ書籍:改正入管法で大きく変わる 外国人労働者の雇用と労務管理
2018年12月に改正入管法等が国会で成立し、入管法等が改正された。その中には在留資格「技能実習」に加えて「特定技能Ⅰ・Ⅱ号」が設けられた。これにより外国人労働者の受入れが拡大された。外国人労働者の単純労働分野から熟練技能労働分野まで就労を認めることとなり、労働市場の深刻な人手不足解消の一助となった。改正入管法が施行されても、日本国内の各業界が必要かつ多様多彩な外国人労働者を確保できるようにするためには、日本国よりも好条件で外国人労働者を受け入れている韓国や台湾、シンガポールよりも魅力的な職場であること、外国人労働者の受入れを希望する業種が、他の人手不足業種よりも魅力的であることが不可欠だ。そのためには、外国人労働者の賃金、処遇を改善し好条件にすることや外国人労働者が単なる安価な労働力として使われるのではなく、技能実習や雇用労働でその後の職業生活にとって必要な技能、知識を身に付け、向上できるようにすることが必要である。
文責:出張
著者:布施 直春
発行所:(株)中央経済社
発行年:2019年4月1日
読んだ論文:日本における外国人介護労働者に関する政策と今後の課題
日本の少子高齢化に伴う高齢者の増加により、今後はより多くの介護者が必要になってく。しかし、介護業界は人手不足であり、そのため外国人労働者を介護の分野に導入し、人手不足問題の解消を試みようとしている。本稿では、三つの政策について取り上げている。一つ目は、介護福祉士の国家資格を取得した留学生の卒業後の就労を可能にするため、在留資格の拡充を行う政策である。これは平成29年に施行され、新たな在留資格として「介護」が創設された。二つ目は、EPA(経済連携協定)による、看護師・介護福祉士候補生の受入れである。この協定の相手国は東南アジアで、フィリピンやインドネシア、ベトナムから多くの候補生を受け入れている。そして、候補生は介護福祉士国家試験を受ける。平成24年の合格率は約38%となり、全体の合格率約64%に比べて低くなっているが、外国人受験者の日本語のハンディキャップを補う試験改善を行い、少しずつ合格率は上昇している。三つ目は、技能実習制度における介護分野の導入である。技能実習制度では、もともと待遇や労働環境の劣悪さが指摘されているが、それに加えて介護の職種は他の職種と比べて低賃金であり、重労働を要し、またコミュニケーション能力が必要となってくる。そういった問題をカバーしきれるのかを指摘している。以上のような政策が行われているが、外国人労働者の受入れにはまだまだ問題が残っている。
文責:榎谷
著者:石田路子
論文誌名・巻号:城西国際大学紀要(2016)
掲載年:2016年
URL:http://www5.jiu.ac.jp/books/bulletin/2015/welfare/01_ishida.pdf
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