読んだ論文:Globalization,Brain Drain and Development

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この論文では最近の開発の問題に焦点を当てて、頭脳流出に関する40年間の経済学研究をレビューされており、アフリカの医学的頭脳流出、最近のヨーロッパの科学者の米国への流出、およびインドのIT部門の発展におけるインドのディアスポラの役割という3つの事例研究などを参考に構成されていた。

論文の冒頭では、頭脳流出の規模、強さやその決定要因について調べ、頭脳流出(または高スキル)が国際移住の主要なパターンおよびグローバリゼーションの主要な側面になりつつあることが示されていた。

次に、定型化された成長モデルを使用して、頭脳流出が起こった国におこる影響のさまざまな要因を分析し、これらの要因に関する根拠なども示されていた。

最近の論文によると、高度な技術の流出は積極的なネットワークの外部性を生み出すことができる事も明らかとなった。

文責:岡

 

論文詳細

著者名:Frederic Docquier & Hillel Rapoport

論文誌名・巻号:Center for International Development at Harvard University

掲載年:2011年

出版社:CID Working Papers 219

 


読んだ論文:外国人留学生の日本における就職は促進できるのか

       ―現状の課題とミスマッチの解消に向けた提言―

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 日本で学ぶ外国人留学生の日本での就職について、社会では関心が高まっており、外国人留学生を、高度人材の候補生として捉え、彼らの卒業・修了後、積極的に活用すべきだという見解が、政府や経済界で共通認識となってきた。しかし、日本企業への就職を希望する留学生の割合が高まっているが、希望を叶えられる者は約半数にとどまる。

問題点として、留学生の多くは明確なキャリア・パスを思い描いているわけではない、そして、企業の多くは留学生が日本人とどのような点で異なる魅力があるのかを明確に意識しているわけではない。このような状況がミスマッチを引き起こしている。そのような問題を解決すべく今後、大学は企業や行政機関と連携して、パイプを形成することが有効になってくる。留学生の受入れ拡大をするためには、政府・大学・企業単体の取り組みだけでなく、それらが連携し、意見交換がより頻繁に行われることが必要になる。

文責:榎谷

 

論文詳細

著者名:志甫 啓

論文誌名・巻号:Works Review Vol.4 ,p208-p221

掲載年:2009

出版社:リクルートワークス研究所


読んだ書籍:外国人労働者受け入れを問う

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 日本は少子高齢化が進み、1998年をピークに労働力人口が減り続けている。安倍政権は、2020年の東京五輪にむけた大規模なインフラ整備や女性「活用」政策などのために、安易な形で外国人労働者受け入れを進めようとしている。こうした政策のありかたを問いただし、公正と人権の原則に基づき、共に生きる隣人として彼らを受け入れる方策を考える。

 外国人労働者のいっそうの受け入れをどう進めるかは、今からの議論では遅すぎるくらいの重要な課題である。しかし、そのあり方と方向を考えるためには、これまでの外国人、移民の受け入れを振り返り、その反省を出発点にすべきではないだろうか。

 日本はすでにれっきとした外国人労働者受け入れ国である。しかし、これまでの外国人労働者政策は、目的にそって必要とする人材をフロントドアから受け入れる制度をつくるよりは、迂回路を経て間接的に受け入れるという不透明な方式をとりがちであった。それにかえて、いかにフロントドアを開き、外国人にたいして労働者としての権利を保障し、日本人労働者との平等を原則とする透明・公正な受け入れへと転じていけるか。これが日本の将来にとって大きなカギとなる。

文責:政安

 

書籍詳細

著者名:宮島喬・鈴木江理子

出版年:2014年